『最終回:音楽携帯の夢』
さて、諸般の事情があり、長らくお楽しみ頂いたオーディションの寺も今回が最後に。
3年以上に渡り、寺猫の分際で猪口才な御託を毎回つらつらと並べて来たけれど、そもそもは、Kクリのオーディションの秘訣を伝える主旨だったはずなのだ。しかしそこは、猫ならではの気まぐれで、いつの間にやら、本来の主旨などどこ吹く風で、好き放題に書きなぐってしまった(苦笑)
Kクリのオーディションも、今は休止状態であり、今後は全く違った方法でオーディションをやるべく準備を進めている昨今、この寺もその役割を終える時が来たと考えた。というわけで、恋愛さながらに終わりは唐突で、今回が最終回。
その最終回のお題は「音楽携帯の夢」
今年は音楽携帯で幕をあけて、3キャリアそろって携帯で音楽を!!ってプロモーションを展開したのだけれど、今もプロモーションを続けているのはauだけだ。他の2社は戦略のポイントを変えて、ドコモはiDをソフトバンク(Voda)はワンセグ受信にシフト。逆に言えば、auは、この二つのカテゴリで大きく遅れをとったともいえる。これが吉凶どちらとでるかは、秋冬モデルがでるころには解るだろう。
そんなことを考えている寺猫の元に、携帯端末の世界シェアの30%を持つNOKIAが音楽配信会社の米Loudeye社を買収し、このジャンルに参入することが昿らかになった。これは、auやDocomoが音楽携帯のプロモーションをしてるのと、一見似たように見えるがスキーム自体は大きく異なる。日本の音楽携帯のビジネスモデルはキャリア主導で、各キャリアが縦割りにサービスを打ち出していた。もちろん、提供される端末メーカーが重複してるから、端末メーカー側は開発資産の流用がある程度可能だったわけだけれど、音楽ポータルは各キャリア独自のものだった。
しかし、NOKIAの考えていることは違う。キャリアや通信方式にとらわれず、自社携帯がすべてアクセスできる音楽ポータルを用意する。これは大きな意味を持つ。携帯端末のハードウエアメーカー側がキャリアにとらわれない音楽ポータルを用意して、そこにビジネスモデルを作ったということは、キャリアに依存せず音楽端末としての携帯電話が使えるということになる。これはAppleが描くiPod&iTunesのスキームと同じだ。iPod&iTunesの成功の一番の要因はWindowsXP対応のiTunesを提供したことなのは周知の事実だけれど、NOKIAはそれを携帯でやろうとしている。
NOKIAは、まだこの音楽配信ビジネスのスキームをなにも発表していないから想像の範囲でしかないが、NOKIA端末さえあれば、世界中のあらゆる地域でキャリアにかかわり無く、NOKIAの音楽ポータルにアクセスできて、好きな楽曲のダウンロードやストリーミング再生が可能になるということだ。DRM(デジタル著作権管理)がサーバー側できちんとできるサービスになっていれば、レンタル端末でも自らのIDをポータルで入力するだけで、レンタル端末へのダウンロードやストリーミングができるだろう。
iPod&iTunesは大きなシェアを持っているけれど、売れている音楽端末は実はこれだけで、他社はかなり苦戦している現状において、NOKIAのこのサービスはブレイクスルーになるかもしれない。ただ、日本でのキャリアと端末メーカー、そして着うたとして楽曲を提供するレコード会社との依存関係を考えると、このサービスの日本導入には、一山、いや二山以上の問題解決が必要になるに違いないと寺猫は危惧している。
なにせ日本は、音楽配信ビジネスにおいては、こっぱずかしいぐらい後進国だからね。