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第二十回 グルメ編 最終回『素材に勝る仕事なし その2』

牛肉を超えた豚肉があるというのは、豚肉そのものの美味さが大事と同時にそのバックグラウンド(美味しさの裏づけ)がポイントだった。単に銘柄をつけても、その裏づけが見えなければ価値が生まれない。最近巷に溢れかえってる、○○牛や○○豚、○○地鶏は、正直なにがどう違うのか、まったく見えないわけで消費者にも評価されない。

結局ブランド醸成というのがポイントになるわけで、イベリコ豚のようにブランディング戦略が必要だ。

イベリコ豚のことを振りかえってみる。

1) 商品の魅力を端的に伝えられるキャッチフレーズ
→ドングリ豚
2) 商品の作り手のキャラクタの露出
→陽気でポジティブなスペイン人だけど由緒正しき名門
3) 商品コンセプトと作り手のライフスタイルのシナジー
→ゆとりの放牧の様子とロハスなライフスタイルの造り手
4) 解りやすいバックグランドストーリー
→各種番組タイアップによる取材(cf ウルルン滞在記)
5) お客さんのレスポンスの露出
→著名レストランのシェフや有名人のインプレッション


まず1)のドングリ豚ってキャッチコピーが、とても解りやすい。

豚の形を現しているようにも思えるドングリというキーワードは、年齢に関係なくインパクトがある年配のベテラン主婦でも、昨日までギャルだったヤンママでもOKだろう。国産の「もち豚」とか「東京X」「スーパーゴールデンポーク」なんかよりも端的でわかりやすい。だいたい東京Xが豚の名前だってわからんだろうに・・・。東京を入れたのは国際化を視野にいれたってことらしいが、だったら、いっそ「東京ピッグエックス(笑)なんて駄洒落が良いと思うがな。かたやスーパーゴールデンポークもポークの前が長すぎて低視聴率ヒーローものの決め技みたいにダメダメだし。

もち豚は解りやすいけど、もち=餅?って感じで餅が餌なのか、肉質のことなのかがわかりにくいのが惜しい。もっちり、しっとりした食感だからもち豚だって聞いても、なんでもっちりしてるのかが解らない。

その点、ドングリ豚のすごいところは、ドングリ食べてる豚だからって理由を聞いて即座にイメージできてしてしまうこと。そもそも豚は雑食でいろんなものを食べるのが常識なわけで、だから、大食漢の人間は豚のように食うやつとかいわれてしまう。それが、あのちいさなドングリしか食べてないって効くと、妙にヘルシーでオーガニックなイメージがわいてくる。

次に2)の作り手のキャラクターの露出も秀逸だった。まずは、イタリアンのシェフが語るようになり、雑誌や通販カタログでその様子が徐々にティザーされていって最後はテレビの番組で詳細にレポーティングされた。豚の飼育はどうしても、くさくて汚いイメージがつきまとうけれど、このイベリコ豚は牛の放牧よろしく広大な牧場に豚が放されており非常に飼育品質が高いイメージを見せた。

3)については、4)の番組を通して牧場主のライフスタイルが、エンドユーザーの好感度の高いオーガニックでロハスなスタイルであることを上手にみせることに成功。ああいう暮らしをしている人が作る豚なら安全で美味しいというイメージを醸造した。

最後の5)は、雑誌やテレビの料理番組や旅番組などで、実際にイベリコ豚を使ったレストランの紹介をし、その料理の美味しさを出演者だけでなく、店の料理人自ら語らせることで駄目押し。イベリコ豚は有名レストランでも使われている特別に美味しい豚というブランド(差別化)が成功した次第。コンテンツでも、このブランド戦略は大事で、とくに作り手が見えるという意味の上記の2)〜4)を創出することがビジネスの成功につながるはず・・・・・でも、Kクリは、いまだ発展途上で完全なる成功にはいたっていないわけで、完全なる栄光をこの手に握るためにも、しばし自らの修行の旅に出たい。

更なる幻術の体得が叶うまで、再びこの白き原稿の上に帰らないと言う不退転の決意を胸にして。そう遠くないとはおもうのだけれど、旅は着のまま、気の向くまま。流れる雲のように、北に上り冬を迎えにいくにちがいない。


みなさん、またお会いしましょう。


コンテンツビジネスの道に足をつけて、はや20年。音楽、楽器、映像、アプリケーション、パソ通、CD-ROM、ゲーム、webサイト、いろんな制作に手をそめて来たけれど、今はこうして携帯に手をつけKクリの立ち上げから現在にいたる。ちなみにモロモロ審査員歴は15年に及ぶ。

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